Live Q&A
目的論と志望動機の伝え方
「人生の目的」を軸に志望動機を組み立てる就活生からのコメントが多数寄せられている。農業や子供の不公平、心身の健康、SDGsなど掲げるテーマは幅広いが、Utsuさんはその一つひとつに対して、抽象的すぎないか、行動が伴っているか、本当に自分の言葉かを率直に見極めていく。このページでは、人生の目的の掲げ方とその伝え方について交わされたやり取りをまとめている。
Q. 人生の目的を「日本の農家を世界と戦える農家にする」としています。10年以上ラグビーを続け、体づくりのため1日6食摂ることもあり、「食」に支えられた人生でした。今まで支えてくれた「食」、特に生産者への感謝から、衰退する農家を助ける立場に回りたいと考えるようになり、この人生の目的にたどり着きました。
A. Utsuさんは、「食ってきたものは日本のものだけではないはず」とツッコミつつも、体が大きくラグビーを10年続け体づくりに取り組んできたというエピソードが語られれば、実際には海外製のものを多く食べてきているだろうと思いつつも「まあいいか」となる、と指摘する。厳密な整合性よりも、エピソードと目的が全体としてバランスよく成立していれば良い、という立場を示している。
Q. 人生の目的として「子供の不公平をなくす」を掲げ、手段として「子供が一人でできることを増やす」ことを考えている。具体的には、工場用など特定用途で極められた最先端技術を、子供が使うものに活かしたいと考えているが、どう伝えればよいか。
A. Utsuさんは、最先端の技術に精通していないなら、今からその技術を勉強して、柔らかい表現でもいいから伝えることが就職活動だと語る。完璧にできなくてもよく、かじった程度の理解でも構わないと指摘する。
Utsuさんは、今の日本に足りないのは「のび太」のような存在だと述べる。ドラえもんは、のび太が困っていることを起点に道具を出してきたのであり、就活生自身も「のび太」の視点、つまり困っていることを起点にすればいいのだと説く。
その一方で、「まず就職して技術に精通するようになってから考える」という順序では駄目だと断言する。成功の種、子供が使えるような最先端の何かの種、こうしたものについてもっともっと妄想を広げていくことで、「自分はこの会社でこんなことをやりたい」という思いが自然と引き寄せられるようになるはずだとUtsuさんは語る。
Q. 人生の目的を「若者の心のセンサーを敏感にしたい」と仮決めし、SNSや情報社会に疲弊した人が個を確立する手助けをしたい。手段として、地域社会に根付いた若者の社会参画を促す事業に携わりたいと考えているが、これについてどう思うか。
A. 若者の心の問題に向き合い、地域社会に根付いた活動をしたいという志望動機について、Utsuさんは論点を指摘する。面接の場に行くまでに、自分自身の心に折り合いをつけ、疲弊した状態を解消できているかどうかが重要だと語る。書き方を見る限りそこに自信が感じられ、例えばスマホを手放すような形で今の状態にたどり着いたということであれば、流れとしては非常に良いものになっていると答える。
Q. 「心と体が健康な人を増やしたい」という人生の目的があるが、その実現手段としてどんな会社・業界を選べばよいか迷っている。健康食品やオーガニック業界も考えたが、予防よりも既に問題を抱えている人へのアプローチをしたいと思っている。
A. Utsuさんは、人生の目的が定まったからといって就活の話ばかりしていると、相手から見て中身の薄い「ペラペラな人間」に見えてしまうと指摘する。目的や志望動機を語るだけでなく、その目的に沿った行動が実際に伴っていることが重要だとUtsuさんは語る。
Q. SDGsを人生の目的として掲げ、キャリアセンターの助言を受けて職種や業務内容まで具体的に志望動機を掘り下げて面接で話しているが、なかなか選考が通過しない。
A. Utsuさんは、人生の目的論はあくまで自分がやりたいことを見つけるための考え方であり、そこに書いてある内容をそのままなぞって話しても意味がないと指摘する。自分の価値観が本当にはっきりしているなら、面接ではもっとその人自身の掘り下げが自然と表れてくるはずだと語る。大切なのは、興味を持ったテーマをどんどん自分なりに掘り下げていくことであり、テンプレート的な回答をするのではなく、自分自身の考えとして深めていく姿勢が必要だとUtsuさんは答える。あわせて、面接対策として多数の質問に答える形式のコンテンツも参考にするとよいと勧めている。
Q. 業界研究・自己分析の結果、外資系総合コンサルが自分に最も向いており、やりたい仕事だと結論づけ内定も得た。ただ、Utsuさんの「コンサルは人生の目的にはなり得ない」という発言が引っかかっている。コンサルを志望するのは自己分析不足の表れなのか。
A. Utsuさんは、コンサルはあくまで手段であり、それ自体が人生の目的にはなり得ないと指摘する。かつて「非効率な企業を正す」という言葉を使っていたが、コンサルは今や数ある手段の一つに過ぎなくなったと語る。ただしそれは仕事の経験を積んだ上で気づいたことであり、社会人経験のない状態でコンサルという一歩引いた立場を選び、「自動車業界を支えたい」「製造業を支えたい」といった具体的な軸もないまま人生の目的が決まっているとは考えにくいと述べる。ありたい自分ややりたいことは、それ自体が人生の目的ではないとUtsuさんは強調する。その上で、新卒就活においてコンサルやIT業界を選ぶのは「逃げの一手」であり、実態はやりたいことが分からない状態の表れだと厳しく指摘する。
Q. 人生の目的は「農業を盛り上げることを通じて、強い国にする」ことです。農機メーカーや種苗会社を志望していますが、この方向性で良いでしょうか?
A. Utsuさんは「農業を盛り上げることを通じて強い国にする」という目的について、良い考え方だと評価する。農業が盛り上がれば強い国になる、という論理が成立している点を肯定的に指摘している。
Q. 人生の目的が「技術の力で、働く人の問題解決に貢献する」に定まったが、そこに至る根拠が多すぎて面接で伝えきれない
A. Utsuさんは、「技術の力で働く人の問題解決に貢献する」という表現は抽象的すぎると指摘する。同じような言葉を語る就活生は100〜200人単位でいるため、それだけでは誰の話なのか区別がつかなくなってしまうと語る。その上で、伝える際には相手の立場に立って考えることが大切だとアドバイスする。
Q. 就活と体育会活動を両立中。真剣に取り組む姿勢が仕事への真剣さにつながると考え頑張っています。
A. Utsuさんは、就職活動と体育会活動を両立する姿勢について「いいですね」と評価する。就職活動は楽しんでしまえばいいものであり、向かう方向に常にエネルギーを注いでいることが大事だと語る。結局のところ、人生の目的とそれに伴う行動が揃っていることが正解であり、行動して動いていればその人物として一貫した面が生まれ、わかりやすい人間になると指摘する。そして、わかりやすい人間こそが評価される人間だと述べる。一方で、就活アカウントなどで軽率につぶやいたりすると二面性が出てしまうため注意が必要だと指摘する。
Q. 人生の目的が「技術力でモノづくりを効率化し人を幸せにする」ことなので、業界よりも職種にこだわってしまいます。これでいいのでしょうか。
A. 業界より職種にこだわってしまうことについて、Utsuさんは全く問題ないと語る。むしろその方が健全であり、目的に向かって主体的に行動できている状態(Do)になっているからだと指摘する。
そのうえで、どの選択肢が自分の人生の目的に一番近づけるかを考えればよいと述べる。業界の長期的な成長、自分自身の成長、海外で挑戦できるかなど、何を優先するかは人それぞれだが、その判断のど真ん中には自分の人生の目的があるべきであり、そこに沿って考えていけばよいとUtsuさんは答える。
また、規模の大きい会社だけでなく、小さい会社の方がより具体的な経験を早期に積める機会を得やすい点も覚えておいてほしいとUtsuさんは付け加える。
Q. 勉強のモチベーションはどうやって保っていましたか?
A. Utsuさんは、自分は「燃えることしかやらない」だけだと語る。燃えられるものをより発揮できる場所に進んでいるだけであり、周囲からは努力しているように見えても、本人としてはやりたくてやっているに過ぎないという。だからこそ勉強にモチベーションなど必要ないとUtsuさんは指摘する。受験勉強のような例外を除けば、仕事選びの段階でもやりたくてしょうがないことしか選ばないため、モチベーションを保つという発想自体が生じないと説明する。人生の目的とはそうした単純なものであり、そこが定まっていれば面接でも言葉が自然に出てくるようになるとUtsuさんは答える。
Q. 「努力している人が、外部的要因によって意欲を阻害されない仕組みを提供したい」という人生の目的を掲げており、人材業界のある企業から内定をもらいました。この目的は叶いそうでしょうか。
A. その人生の目的が「叶いそうか」という問いについて、Utsuさんはまず前提がずれていると指摘する。叶うかどうかではなく、その会社で何をやるかによって近づいていけるかどうかが問題であり、目的は完全に「叶う」ものではなく、あくまで近づいていくものだと語る。人生の目的を万能ツールのように掲げているだけでは人生は豊かにならないとも述べる。
Utsuさんは、自分が若者の自力を上げるために活動を続けているが、採用企業に取り組む中で本当に「顔つき」が変わるような人間は5%もいないと語る。それでも自分がやめれば日本の人材はダメになり、日本自体が立ち行かなくなるのは間違いないので頑張っていると答える。
会社に入って自分が取り組むことで目的に近づいていき、それが社会にインパクトを与え、最終的に自分自身に返ってくるという社会の仕組みを前提に考えるべきだと指摘する。会社に過度な期待をしてもしょうがないし、自分を高く見積もりすぎるのも良くないと語る。
本当に一歩一歩しか進めないが、自分なりの筋を見つけて一つひとつ取り組んでいれば、気づけばライバルがいなくなり、後ろにしか人がいない状態になると必ず言える。その羅針盤となるのは会社の目標ではなく、自分自身が決めた人生の目的であるとUtsuさんは締めくくる。</answer>
Utsuさんは、人生の目的とは万能な答えではなく、行動と結びついてこそ意味を持つ羅針盤だと繰り返し語る。