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滑り止め戦略と選考の進め方

「滑り止め戦略と選考の進め方」と題してはいるが、実際にUtsuさんへ寄せられた質問は新卒一括採用や終身雇用の行方、既卒・高卒からの就活、年齢的なビハインドをどう捉えるかなど、就活生のキャリア観そのものを揺さぶる内容が中心だ。年度をまたいで届いた質問群に対し、Utsuさんは時に厳しく、時に温かく持論を語っている。既卒・遠回りをしてきた人、業界の先行きに不安を抱く内定者など、それぞれの立場からの疑問に対する回答をまとめた。

Q. 外資系企業の新人教育・新卒教育のあり方についてどう思いますか?

A. Utsuさんは、外資系企業の新卒教育には否定的な見解を示す。外資系に入ってくる新人は待遇などのメリット目当てで入社してくるケースが多く、プライドばかりが先に立って実際には何もできない、と指摘する。何を言われても素直に吸収しようとせず、営業トレーニングを施しても全然身についていないと語る。その結果、半分以上が2〜3年程度で辞めていくのが実情だという。

Utsuさんは、こうした状況を踏まえ「外資系は新卒採用をやめた方がいいのではないか」とまで言い切り、新卒を採って育てるよりも、すでに実力のある人材を中途採用で積極的に雇った方がよいと答える。

Q. 21卒の新卒研修について不安がある

A. Utsuさんは、レッテル貼りが好きな日本社会において、今年の新人はコロナ禍の研修世代として10年後も記憶される世代になるだろうと語る。その次の年からは新卒採用自体がほとんど行われなくなるのではないかとも指摘する。付き合いのある企業からは「新卒を採用している場合ではない」という声が上がっており、生き残ること自体で精一杯だという状況を口々に語っているとUtsuさんは明かす。今後、内々定取り消しのような驚くべき事態が起きてもおかしくないと警鐘を鳴らす。

Q. 最近、高校生向けの就活シリーズを始めたのはなぜですか?

A. この件について多くのコメントが寄せられているとした上で、Utsuさんは、大学生の就活には相談に乗りたがる人が多い一方で、高卒就活は誰も取り合わない現状があると指摘する。理由として、高卒就活は金にならないからだと語る。そのため、高卒就活を経験した人の話を聞きながら取り上げる形で、8回だけシリーズとして始めたと説明する。

Q. 新卒一括採用の未来はどうなると思いますか?終身雇用が崩壊する中で機能しなくなるのではと感じています。

A. 新卒一括採用の未来について、Utsuさんはあまり変わらないだろうと語る。その上で、もし自分が1万人以上の企業の立場なら新卒採用をやめると答える。理由として、今の新卒のレベルが低すぎて採用する価値がないと指摘し、それよりも意識の高い第二新卒を1.5倍の給料で雇った方がいいと述べる。

Q. 今の就活生は終身雇用を前提に就活をしているのでしょうか?それも時代遅れですよね。

A. Utsuさんは、終身雇用を前提とした就活論はすでに時代遅れであり、人生の目的論に基づいた考え方へ完全にアップデートすべきだと指摘する。終身雇用が続くという前提自体があり得ないと断言する。

Q. 中卒に未来はありますか?

A. Utsuさんは、周りには中卒でも大きな金を持っている人がいっぱいいると語る。むしろ大卒で普通に就職する人が一番金から遠ざかっていると指摘する。

Q. 9月卒業予定、24歳で元うつ病の既卒です。出遅れ就活生向けの内容に共感し、自分の「仕事」を見つけて活躍したいと考えるようになりました。今はエントリーシート作成の途中です。この年齢で新卒枠に挑戦するのは大きなビハインドになりますか。

A. Utsuさんは、24歳での既卒は相当なビハインドだと率直に語る。ただし、有利不利は誰にでもあるものであり、それは変えられない前提条件にすぎないとも指摘する。だからこそ、その前提の上でどう動くかしかないと語る。

Utsuさん自身は1998年卒業のハガキ応募世代だったが、当時からそうした慣習を無視し、人事本部長に直接電話をかけて会いに行くという方法を取っていたため、いわゆる「ザラ場」でみんなと同じように戦った経験はなく、就職活動自体には苦労しなかったと明かす。

その上でUtsuさんは、ビハインドはビハインドとして受け止めつつ、それならば普通の人と同じことをするのではなく、他の人より何をプラスでやるのかを考えることの方が重要ではないかと語る。

Q. 高卒で社会人を3年経験してから情報系学部に入学し、現在1年生です。1年次から長期インターンに参加し、大学院まで進学すれば、就活で企業側からのマイナス要素は軽減できると考えていますが、甘いでしょうか?

A. Utsuさんは、社会人を3年経験してから大学生になったという境遇について、あまり気にしなくていいと語る。1年生から一生懸命インターンに行くといった行動を無理にする必要はないと指摘する。多くの人が誤解している点として、インターンに行けば良いというものではなく、上の世界は「人間採用」であるため、人間的な面白みがない人はどこに行ってもダメだと断言する。インターンや大学院かどうかという問題ではなく、充実した社会生活を送ることが重要だとUtsuさんは述べる。そのうえで、3年間社会人をやっていたという経歴自体は、何をやっていたかにもよるが、むちゃくちゃマイナスに働くことはないとUtsuさんは答える。

Q. 来年から鉄鋼メーカーで働く予定だが、中国の動向次第で業績が大きく変わることに驚いている。この業界に入ることについてどう思うか。

A. Utsuさんは、鉄鋼メーカーへの入社は今のタイミングでも十分に良い選択だと語る。学生の中には「鉄鋼メーカーはオワコン」といった勝ち馬志向の見方をする人もいるが、それは違うとUtsuさんは指摘する。新卒でどこかに入る意味は強くなりに行くことであり、これまで新しいことに挑戦してこなかったような企業・人たちが、今まさに本気で新しいことに取り組んでいる状況にあると説明する。その意味で、鉄鋼業界は今ほどエキサイティングなタイミングはないとUtsuさんは答える。

出遅れやビハインドを嘆く前に、それを前提として何をするかが問われている、というのがUtsuさんの一貫した姿勢だ。