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就活生に年収の話をしておきます
「30歳で年収800万円は高いのか」「年収で会社を選んでいいのか」——就活の軸に年収を置くべきか迷っている学生に向けて、Utsuさんが自身のキャリア経験を交えながら年収というテーマを語る。年収を基準に会社選びをすることの危うさに触れる内容である。
就活で唯一再現性があるのは「やりたいことをやる」こと
Utsuさんは、就職活動において唯一再現性がある成功法則は、やる気があること、そしてやりたいことを仕事にすることだと語る。本来この文脈に年収は顔を出すべきものではないという。就活生を対象にしたアンケートでは「30歳での高年収」の基準として800万円という回答が最多(4割)、1000万円という回答も4人に1人にのぼり、想定より高い水準だったとUtsuさんは振り返る。
年収は上げるより下げる方が圧倒的に難しい
Utsuさんが強調するのは、年収は一度上げると下げることが非常に難しいという事実である。転職や昇進で年収が上がる道は選びやすい一方、年収が下がるキャリアの選択は極めて難しくなると指摘する。Utsuさん自身、長年高年収なB2Bのソフトウェア業界に身を置く中で、トレンドを感じたB2C領域へ軸足を移したいと考えたことがあったと語る。しかし移ろうとした会社の年収上限が、当時の年収を大きく下回っていたため、結局踏み出せなかったという。その情熱が年収を下げてまで挑む水準だったかは微妙だったとも振り返りつつ、家族や生活水準がある中では、人は一度上げた生活を落とせなくなるという趣旨を語る。
「水道水」の感覚は一度失うと戻れない
Utsuさんは自身が社会人1年目、水道水で生活していた頃のエピソードを挙げ、当時は当たり前だった生活水準が、20年後には「誰も選ばない」ものに感じられるようになったと語る。年収も全く同じで、一度手にした便利さ・水準は元に戻せないという。就活の段階で平均年収の高さだけを理由に入社を決めると、実際にはその年収に届くか、社内で上位に入れるかは分からず、平凡な位置に落ち着いてしまうこともある。独身で早期のうちは年収が下がることを許容できても、結婚や子どもができる30歳前後になると身動きが取れなくなる、とUtsuさんは指摘する。年収を知らなければ知らないままで十分幸せでいられるが、一度高い水準を知ってしまうと、それより低い水準に満足できない人間になってしまうという。
会社選びの軸は年収ではなく成長
Utsuさんは、社会に貢献した総量が最終的に自分に返ってくるのが本来の姿であり、「入ればこの年収がもらえる」という「もらう精神」で会社を選ぶと、身動きの取れない自分に陥りかねないと語る。最初の会社選びは自由だが、年収で選ぶことは最善ではないとし、高年収の世界は後からでも目指せると述べる。20代は大きく成長できる時期であり、成長できる場所・成長したい方向性で最初の会社を選び、その会社でトップ20%になれる確信を持てる手を打ってほしいとUtsuさんは呼びかける。大切なのは成長と能力であり、そこに年収が介在する余地はないという考えを示す。
要点
- 年収は一度上げると下げることが非常に難しく、家族や生活水準ができるほど身動きが取れなくなる
- 平均年収の高さだけで会社を選んでも、実際にその水準に届くかは分からず、後で年収を理由に挑戦できなくなるリスクがある
- 会社選びで再現性が高いのは好きなこと・やりたいこと・成長できる環境であり、年収は結果として後からついてくるものである
年収に引っ張られて可能性を封じるのではなく、成長できる場所ややりたいことを軸に最初の会社を選んでほしい、というのがUtsuさんからのメッセージである。